盛泉寺の山門の前、参道脇の石には六体のお地蔵さまが刻まれています。
江戸時代名もなき人によって彫られたと伝えられています。
長年の雨風や雪によって、その姿は薄っすらとした線が微かに見えるだけです。
でも、よく見るとお地蔵さまはとても愛くるしい姿をしています。
その六地蔵の上には「仏・法・僧」という字が刻まれています。
この文字は、仏教の三つの宝物を表しています。
「仏」は、仏教を説いたお釈迦さま。
「法」は、そのお釈迦さまの説かれた仏教の教えを表します。
「僧」は、お坊さんという意味もありますが
仏さまの教えを大切にして生きるすべての人を宝物だと称えているのです。
六体のお地蔵さまは、この三つの宝物を大切に抱きながら
今日も静かに皆さんの幸せを祈り続けています。
遥かな時を越えて、いつも温かな眼差しで
皆さんを見守っているのです。
波田町指定文化財 江戸時代
参道入口にある六地蔵には寛永十二年(一六三五年)建立の銘が刻まれており、周辺地域では最古のものです。この六地蔵は拓本が有名で、かつては多くの方々が寺を訪れました。
※ 文化財保護のため、現在、拓本はご遠慮いただだいています。